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【今回の経理のツボ】

今回の経理のツボも、前回に引き続き「与信管理」について考えてみたいと思います。

前回は、具体的な場面に合わせた情報収集について考えてみました。

今回は、原点に立ち返って「与信管理の重要性と与信限度額」について

考えてみます。
☆ 共倒れ倒産を回避するには
企業が存続するためには、取引を拡大・継続するとともに、その回収を確実に行うことが必須です。

回収が滞り貸倒れが発生することは、会社に大きな損害をもたらし、最悪の場合は共倒れ倒産ということもあり得ます。

支払ってくれる取引先とだけ取引を行うのが理想ですが、ここで「支払ってくれるかどうかの見極める」

ということが大きな課題となります。

そのために要求されるのが与信管理で、その内容はstage1の信用調査や

これからご紹介する与信限度額の算定になります。

取引先の基本的な管理は、下記の流れとなります。

1)新規の商談があがる

2)信用調査を行う

3)与信限度額を算定する

4)実際の取引に踏み切る

取引先の状況や自社の状況は、刻一刻と変化します。

よって、継続的に取引を行う場合は、定期的に信用調査と与信限度額の算定を行うことで、

常に状況を把握することも重要となってきます。
☆ 与信限度額とは

それでは、与信限度額とは一体どのようなものなのでしょうか。

理想は、支払ってくれる取引先とだけ取引を行うことです。

しかし、現実の問題として、そのような安全な取引先とだけ取引をしていては、

取引先はどんどん減り、企業経営が成り立ちません。

決して安全ではない取引先とも取引しなければならない状況下で知りたいのは、

「実際いくらぐらいまでの損失なら良しとするか」ということです。これが与信限度額です。

与信限度額は、具体的には、その取引先への債権は最大いくらまでだったら大丈夫なのかという金額です。

取引先が倒産して債権回収ができなかった場合、その時点での債権が貸倒れの対象となります。

安全な取引をするには、この与信限度額を超えないように、受注量や回収のサイトをコントロールしなければなりません。

多くの中小企業では、取引成立がゴールで回収が甘かったり、

経験から生まれる勘を頼りにそれぞれの取引先との取引量を決定していたり等、

なかなか与信限度額の算定がなされていないのが現状です。

共倒れ倒産を回避するには、与信限度額を把握しておくことは不可欠です。

では、どうやって与信限度額が決定されるのかを考えてみましょう。

与信限度額は、相手がどの程度なら支払えるのか、自社はどの程度の貸倒れだったら耐え得るのか等を把握して決定します。

安全な相手であれば与信限度額は大きくなり、逆に危険な相手の場合は与信限度額は小さくなります。

また、自社に貸倒れに耐える体力があれば、思い切った取引も可能ですので、与信限度額は大きくなります。

また、回収条件も重要な要素となります。

手形取引は現金取引よりもリスクが高く、回収期間も長くなれば長くなるほど、債権が積み重なってリスクが増します。

与信限度額の具体的な計算方法は幾通りも考案されており、

それぞれの方法にメリット・デメリットがあります。

よって、さまざまな手法で計算し、比較検討するのがよいでしょう。

次回は、具体的な算定方法についても検討してみたいと思います。
参考資料

「天明茂の管理会計実践塾」

「中小企業のための経営計画策定支援」

「MyKomon財務管理」

「TKC経営指標」

「出典:佐藤澄男講演レジュメ」

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